弥生の本屋

小石川弥生のブログ小説です。

ブログ小説「記憶」狩り4話

 ここに来て 初めの頃は  神に撰ばれたのか ......

 何の為に この世界に来たのか...

 そんな事ばかり 考えていたけど

  カナエが住んでる 麓の集落の人たちと交流するようになって いい人たちが多く......僕は......

 自然とそんな事を 考える事もなくなっていた...... 

 今日も カナエと村の人たちとで山へ 狩りに来ていた......

 誰が一番 多くの獲物をとるか 

競い合いながら......

 「圭吾ー!そっちにいったぞ!」

村で一番力持ちの 泰三が 叫ぶ

 僕の後ろから カナエが

「圭吾さん 気を付けて!こっちに向かってくるよ!」

 勢いよく こっちに向かって 突進するのは 体長150cm位 ちょうど カナエ位の大きさで 体重は100kgはあるだろう

 突進してくる イノシシの前方に

立ち塞がり 弓を引く 

 僕の約2mの所で イノシシは ジャンプした......僕に 覆い被さるように 僕に目掛けて 

 弓を空方向 斜めに向け イノシシの鼻目掛けて 矢を放つ 

 矢先は イノシシ 鼻を貫き 本矧の所で止まった......

 イノシシは弱点の鼻を 矢で射られ 方向が定まらず 木に激突 

 その隙を狙い 泰三が10kg位の石で 脳天をかちわった......

村の男たちの 天に向けての 雄叫びが 指揮を上げ......

 狩りは 辺りが茜色に染まる 夕刻まで続けられた......

 

 夕刻 僕たちは 誇らしげに

イノシシ2頭 しか1頭の獲物を2mちょっとの木の棒に 吊し

集落へ担いで戻った......

 集落へ戻った頃には 辺りはもう日が落ち暗く 村に残っていた者たちは 火をおこし 宴の準備を整えていた......宴が始まると

  男たちの

豪快な食べっぷりや笑い声は 夜遅くまで続き 女たちは その光景を優しく見つめ 誇らしく見守っていた......

 

僕は そんな村の人たちと一緒に

狩りができ こうして 食べて飲んで 笑っていられる事に 幸せを感じていた......この時は......