弥生の本屋

小石川弥生のブログ小説です。

ブログ小説「記憶」炎天神儀 8話

 1日目は 川で魚をとり 2日目は 狩りに獲物を 泰三と2日間共に奮闘し ようやく3日目......

 やぐらが建ち 準備は整っていた

 

 月の光と炎の灯火が なんとも言えない 空間を作り出し 

 どこからか 鈴の音が 

 シャンシャン  シャンシャンと

 響き 笛の音と交わり 響きわたる......

 一人のお面を被った 巫女が 

 シャンシャン シャンシャン

と、鈴の音を鳴らし やぐらで

巫女神楽を舞う

 それは......巫女の舞は 僕の心を魅了した......

 シャンシャン シャンシャン

 静かな舞が 次第に激しく 

 炎天神儀 神を祀る儀式

丁度 月が雲に隠れ 灯火の風に揺れる火が 巫女の舞を 一層に神秘的に魅せた......

 やがて 笛の音は止み 鈴の音も止み 巫女神楽は 静かに静止した......沈黙の時が流れ やぐらを降りる巫女は 灯火の届かない所へ消えていった......

 暫く 呆然とその姿が消えるまで

僕は 巫女から目が離せなくなっていた......

 

 炎天神儀が終わると 集落の人たちは いつもの宴のように 飲んで食べて

そして...朝まで灯火を消すことはなかった......